Z80000

Z80000ザイログ社が1986年から投入した32ビットマイクロプロセッサであり、16ビットプロセッサZ8000の拡張版である。マルチプロセッサ対応機能を持っていて、6ステージのパイプラインを持ち、256バイトのキャッシュを備えていた。メモリ空間は4Gバイト[1]。当時の記述として「ワンチップのメインフレーム」とされていた。このプロセッサは色々な意味でインテル80386に近い。 Z8000用のコードは実行できたが、x86との互換性はなく、Z80とも互換性はなかった。

Z80000の発表は1983年に行われ、1984年第2四半期にサンプル出荷、第4四半期から量産、平均性能は1.5MIPS、ピーク性能は5.0MIPS(10MHz動作時)とされていた[2]

16本の32ビット汎用レジスタを持ち、様々なサイズのレジスタとして使うことができた。MMUを備えていてメモリのプロテクション機能を提供している。このプロセッサはメモリアクセス方式を3種類用意していた。

  • コンパクトモード:小規模プログラム用、64Kバイト空間のみアクセス可(Z8000のセグメント無しモードと同じ)
  • セグメントモード:32,768セグメント×64Kバイト、または128セグメント×16Mバイト(トータルで2Gバイト空間にアクセス)
  • リニアモード:4Gバイト空間に直接アクセス可能

FPUとしてZ8070を接続する予定であったが、Z8070は量産前に開発中止になった[3]

1988年にZ320というZ80000のCMOS版が発売された[3][4]

  1. ^ IC collection Z80000
  2. ^ ASCII 1983年10月号, p. 90.
  3. ^ a b 8ビットCPUの名機Z80の後継はなぜ失敗した? Zilog Z800/Z8000/Z80000の誕生と消滅(人知れず消えていったマイナーCPUを語ろう 第10回)
  4. ^ IC collection Z320

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